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特集 Thumb nagaeplus interview craft

大統領夫人への贈り物はどうして生まれたのか[前編]

2017年11月の初め、CRAFT STOREスタッフ達を騒がせる大事件がありました。

それは記憶にも新しい、トランプ大統領の来日に際したおもてなしについて。ファーストレディーへの贈り物に、CRAFTでもおなじみの「NAGAE+(ナガエプリュス)」のブレスレットが選ばれたんです。

プレゼントされた「TIN BREATH」は、CRAFTでも人気の高いアイテム。

これは女性の力でも曲げられる錫という金属の特徴を生かしたサイズのないアクセサリー、斬新なアイデアのアクセサリー。



メイドインジャパンの代表として選ばれた心境とは、一体どんなものなのだろう?

居ても立ってもいられず、オーナー自ら「ナガエプリュス」のオフィスへと駆けつけた。

「本当にそんなことが起こったのかと、信じられませんでした」

いつも通りの飾らない口調で語ってくれるのは、ナガエプリュスの取締役COO鶴本晶子さん。

マルヒロ利用イメージ

彼女は美術大学を卒業後、ニューヨークと東京を拠点に、現代美術家コラボレーターとして、作品制作、マネジメント、企画に携わってきました。様々な商品、ブランドのマネジメント&クリエイティブディレクターを経て、現在は「ナガエプリュス」の取締役兼COOとして活躍しています。

メイドインジャパンのプラットフォームとなるブランド創りを目指す鶴本晶子さんと、

日本のものづくりの世界ブランド化を目指すCRAFT STOREオーナー井手康博による独占インタビューを、前後編でお伝えします。

前編では、大統領夫人への贈り物に選ばれた心境や、「TIN BREATH」はどうして生まれたのか、そのこだわりや裏の話まで語っていただきます。


ーナガエプリュスとは?おもてなしに選ばれたときのハナシー


井手:では、まずナガエプリュスさんのブランドについて教えてください。

鶴本さん:はい。ナガエプリュスは富山県の高岡にある鋳物の工場が母体となっております。富山の高岡という地が、前田家のお膝元ということで400年の仏具、仏壇といった仏教道具・茶道具を造る文化を持っておりまして、その金属の技術を使って、ものづくりを支えてきた地域なんですね。

その高岡に引き継がれてきた「美」を核にして、世界のブランドを築こうというコンセプトを持っているのがナガエプリュスです。


井手:僕は高岡に伺う頻度は高いんですけど、全国のものづくりを見ている中でもやっぱりデザインのアプローチ、リデザインしていく力が強いのかなと。

鶴本さん:そうですね。富山県にはデザインセンターもありまして、デザインとものづくりを結びつけて行くということに対しては、本当に推進的な県だと思います。

マルヒロ利用イメージ

井手:今回そんな中で、アメリカ大統領のメラニア夫人にナガエプリュスさんのTIN BREATHが贈呈されたということで。実際にどういった経緯だったのか、できる範囲でお話聞かせてもらえますか?

鶴本さん:実はお渡ししていただく2週間ほど前に、外務省の方から直接メールが来た形でして、私も本当に驚きました。メールの届け主もそうですし文面も、もう何度も読み返すくらい、本当にそんなことになったのかというくらい非常に驚きました。


ー”鋳物”からアクセサリーができるまでー


井手:僕自身、最初メディアで知ったとき本当に驚きました。妻からメッセージでそのニュースの記事が送られてきて、すごく印象的でしたね。改めて、今回プレゼントに選ばれた「TIN BREATH」について教えてください!

鶴本さん:「TIN BREATH」は、ナガエの本社が得意とする、鋳物の作り方で使っています。鋳物というのは、溶かした金属を型に流し込むものなのですが、これは1つ1つ職人が手作りをしておりまして、薄い型に越前の手もみ和紙イタリアの700年続く水彩紙のテクスチャーを型にとり込んでいて、そこに職人の手で純錫が流し込まれます。

井手:これ、触ってみると結構柔らかいですよね

鶴本さん:はい。この薄い鋳造というのが非常に珍しいと思うんですね。型自体もうちの職人の工夫からできています。私がこの薄い鋳造でブレスレットを作りたいというお願いをして、商品の開発をしていたところ、試行錯誤をして型から開発してくれたんですね。なので世界的にこの加工はまだこの会社にしかできないんじゃないのかなとは思います。


井手:この商品の開発期間、実際にコンセプトを固めてから商品化されるまではどれくらいの時間がかかったんですか?

鶴本さん:開発期間に関しては数ヶ月だったんですけども、 本当に職人が経験を生かして練って作り出してくださった新しい型っていうのが見たときから画期的で、今までにないものができたのでこういう形のブレスレットが提案できました。


井手:本当に今までにない発想ですよね。ちなみに鶴本さんの中で、和紙のテクスチャーを入れるっていうデザインへの思いというのは。

鶴本さん:和紙っていうのは何千年と続く日本の伝統工芸なのですが、ナガエプリュスのコンセプトとして、伝統の工芸と先端の技術を結びあわせることによって今の生活を輝かせるということがありまして、和紙の温かさとか、持っている魅力を金属に添えることによって飽きがこないで使えるものにしています。


【(真ん中)越前の手もみ和紙のテクスチャー (両端)イタリアの水彩紙のテクスチャー】

テクスチャー


井手:確かに柔らかさだったり、温かさが出ますよね。金属にこういった柄っていうのはなかなかなかったと思うので。色はゴールド・シルバー・アンティークゴールドの3色展開ですが、これにはどういうお考えがあったんですか?

鶴本さん:女性がいつも装うときってシルバーとゴールドっていうのが多いと思うんですね。錫のアクセサリーってシルバーが主流だと思うんですけど、 錫って貴金属ではない金属の中で一番綺麗な色を持っているのでそれを生かしたものと、ゴールドって女性が一番身に付けたいものなので作りました。

ゴールドは金メッキなんですけどこの金メッキも富山県の高岡の仏具を作る時に非常に活躍するものです。普通メッキの工場って機械化されてオートメーションに生産されるところが多いと思うんですけど、うちでは1つ1つ手作業でやることによって繊細なゴールドを出してもらっています。

この金と銀というのは最初から私の中であったのですが、実はアンティークゴールドっていうのは失敗から生まれたものなんです。


井手:お、それは知らなかったです!

鶴本さん:もともと2色で考えてたのですが、色々なメッキの仕方を実験していまして、メッキ工場さんからいくつか仕上がったものを送ってもらったんですが、その中から1つだけ、このしぶーい色が混ざってまして。

工場の職人さんに問い合わせたところ、忘れちゃったからわからないという返答でした。これではもう埒が明かないと思い、工場に赴きまして、どうしてこうなったかっていう工程を一緒に歩いて教えていただいたところ、「あ、もしかしたらこの工程をやったらできたのかも」ということに気づいて。

「その工程自体は劣化とは関係ないんですね?」と聞いたところ、品質には問題はないということでこのアンティークゴールドの工程を採用しました。

井手:じゃあ、失敗を逆に再現しにいったということなんですね。


鶴本さん:そうなんですよ。普通は24金のメッキを1回貼っているんですが、アンティークゴールドは24金のメッキを何回も重ねた後に、ある工程を組み合わせることでこの渋いゴールドが生まれるんです。

これは職人さんにとっては「ムラ」というふうに言って普通の商品だったら弾かれるものなんですが、「このムラを作ってください」と。これはムラではなくて、24金の名残が見える趣深くいいものになっているんだと説得をして、素敵な風合いとして作ってもらっています。

最初は作りたくないと言われていたんですけども。この3色は仏具で培って来た高岡の技術だからこそ成し得る色だと思っています。


【(上)アンティークゴールド (下)ゴールド】

アンティークゴールド


ー何のために、ものを作るかー


井手:そうだったんですねぇ〜。

ところでナガエプリュスさんでTIN BREATHを始めとした、アクセサリーの領域で商品を考え出したきっかけというのは?


鶴本さん:商品開発をしていく中で、富山県の高岡に引き継がれて来た「美」を核にして世界を輝かせる、現代に生きる人々の毎日を輝かせるものを作っていきたいというのがナガエプリュスのコンセプト。

アクセサリーっていうのは女性の生活を輝かせてくれる最大の製品だと思っていまして、仏具だったりテーブルウェアーというものは金属で多いとも思うんですけど、アクセサリーによって女性を輝かせるっていうのを富山県の技術をもって確証したシリーズとなっております。

この「TIN BREATH」という名前自体が錫の自由に柔らかい特徴を、”錫が自由に息をしている”ということを意味として込めていて、この名前も私としては気に入っていますね。

井手:高岡のものづくりというとやっぱりテーブルウェアがイメージとして強かったので、なかなかこのアクセサリー類を作られているメーカーさんは少なかったのかなと思います。


鶴本さん:女性が毎日の装いをしていく中で、アクセサリーというのは本当に欠かせないものなので、それを作るというのは自然な流れでしたね。


お手元


女性の生活を輝かせることを使命に生まれた「TIN BREATH」。

アンティークゴールドの”たなぼた話”は、スタッフ一同初耳。いいと思ったものはとことん追求して形にする、鶴本さんの熱いバイタリティを感じました。

後編では、キュートでパワフルな鶴本氏が「女性とものづくり」について語ります。日本のものづくりの未来を見つめる2人の、アツい夢トークが繰り広げられます。

後編は近日公開。

【インタビュー動画はこちらから】

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TIN BREATH 40mm(ゴールド)

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NAGAE+

サイズ:幅4.0 × 奥行20.0cm
重量:72g
材質:錫
生産地:富山県高岡市

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TIN BREATH 40mm(アンティークゴールド)

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NAGAE+

サイズ:幅4.0 × 奥行20.0cm
重量:72g
材質:錫
生産地:富山県高岡市

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TIN BREATH 40mm(シルバー)

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TIN BREATH 20mm(ゴールド)

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TIN BREATH Ring 15×80mm(ゴールド)

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重量:10g
材質:錫
生産地:富山県高岡市

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TIN BREATH Ring 10×80mm(ゴールド)

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NAGAE+

サイズ:幅1.0 × 奥行8.0cm
重量:8g
材質:錫
生産地:富山県高岡市

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